電力会社を乗り換えたら停電リスクが高まるって?

4月から電力小売自由化が始まりますが、乗り換え先はもう決まりましたか?
私は東京在住なので、原発事故で有名な東京電力から嫌々電気を買っていますが、これを機に再エネを主に扱う事業者に切り替えようとしています。
が、色々調べてみると、不思議なことに気づきます。
小売事業者の供給が、消費者の需要を満たせなくても、消費者側が何らかの不利益を被ることはない
という、ある意味夢のような謳い文句です。
ここで言う不利益とは、要するに停電のことです。もしくは、かつてあった計画停電みたいな。
需要を供給が満たせなくても、誰も不利益を被ることなく、自動的に不足分を補うシステムがいつの間にか稼働していたの??
なんて都合の良い話はもちろんありません。
不利益は全て、電力小売事業者が既存の電力会社にペナルティを支払うことで被ることになります。
詳しくはPPSが戦う「30分同時同量」ルールとインバランス料金リスクで分かりやすく解説されています。

需要に供給が追いつかなかった場合
不足が発生すると「インバランス料金」を支払って一般送配電事業者に穴埋めをしてもらうわけだけど、このインバランスが3%を越えると、最大で3倍以上の金額を払って調達しないといけなくなる
逆に3%を超えて発電量が余剰になってしまったぶんは、無償で渡さないといけない

さらには、電力自由化でも、電気代が安くできない「託送料金」のカラクリなんて記事もあります。

「自由化といっても、自由化されたのは発電部門だけ。肝心の送電の自由化は’20年まで延ばされました。つまり、発電しても送電するのには電力会社の送電線を借りなければならない。そのために支払うのが『託送料金』です。1kW通すだけで、全国平均で約9円を支払わなければなりません」
田中氏によると、発電するコストや電気を卸してもらうコストなどに1kWで約11円かかるので、新電力会社は必要経費だけで約20円を費やす。そして、現在の電気料金は1kWで約25円だ。
「つまり、電力会社と同じ料金で一般家庭に売っても、1kWで約5円の儲けにしかなりません。月300kWを使う家庭からでは1500円の利益しかない。数万世帯と契約しなければ、事務所の維持費や人件費、配当などを賄うことは不可能。これでは地域内の数百人や数千人が対象の小規模な新電力会社はやっていけません」
福島第一原発の爆発事故を機に、エネルギーを県内で100%自給しようとの趣旨で設立された「会津電力」は、14年10月から合計2.5MW(約800世帯分)の太陽光発電を行っているが、今回の自由化には参入しない

自動的に不足分を補うシステムなんて存在せず、東京電力のような既存の電力会社が絶対に損をしないためのシステム(法整備)が進んでいたに過ぎないことが分かります。
それにしてもテレビで流れる情報は全く当てになりませんね。
電力自由化に限った話じゃないですが、本質を突いた報道が少なすぎると改めて思いました。

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